【最近読んだWeb小説】~タイトルに惹かれた小説たち~
2016/01/07
最近読んだWeb小説では、サイト「小説を読もう」の中で僕が読んだ小説全てに対して感想を付けて紹介しています。
当然、僕の主観による評価なので面白くないといった小説でも人によっては面白いと感じることはありますし、その逆も当然あります。
まあ、広い心で読んでほしいということです。ただ、辛口レビューなのでお気を付けください。
目次
「貴族のお坊ちゃんだけど、世界平和のために勇者のヒロインを奪います」を読んで、評価・感想
日本でゲームをしていた男は、心臓発作で死亡してしまう。死の寸前、彼がやっていたアダルトゲームの女神から依頼される-「大魔王を倒した後の、勇者の圧政から世界を救ってください」
これは世界を救うために、召喚術と現代知識を武器に勇者のヒロインたちを奪っていく男の物語。
悪役転生です。内政がんばります。チート修業もします。ヒロインを攻略します。
ゲームの世界の悪者になるという、最近よく見かけるようになったタイプの小説。
といってもまだまだ流行しているといえるほど見かけることはなく、発達中のジャンルともいえます。
そのため、読んだことのあるような展開が少なく、新鮮な気持ちで読み進めることができるのが最大の特徴でしょうか。
勇者が実は悪者だったという点も、あまり見かけないので期待できます。
情景描写や説明文もそこそこあるので読みやすく、典型的なWeb小説といえます。
ただ、感情描写についてはちょっと物足りないかなと思います。
主人公が考えていることはわかるのですが、それに対してどう感じたのかなどが数行程度の簡単な描写だけで済まされており、物語の雰囲気を合わないなと感じた場面がいくつかありました。
例えば、母親が殺されてしまう場面があるのですが、本来ならばシリアスな場面となるはずです。
しかし実際は、感情描写が少なく、その場面も数行程度で終わってしまうほど展開が早いので、読者が感情移入して何かを感じる前に次の場面となってしまいました。
そこだけに限らないのですが、読者の感じる場面の雰囲気と文章が噛み合っていない場面がいくつかあるのが惜しい点ですね。
ただ、それ以上にシナリオが特徴的ですので、それに惹かれた人は読んでみてはいかがでしょうか。
「貴族のお坊ちゃんだけど、世界平和のために勇者のヒロインを奪います」 小説を読もう
「異世界ダンジョンでRTA」を読んで、評価・感想
RTAとはリアルタイムアタック(Real Time Attack)の略で、ゲームのプレイスタイルの一種である。
たとえば、あなたがRPGで50Gと安物の剣と鎧を王様から託されたとしよう。
おそらくあなたは、王様のくせにしけてんなーと言いつつもその剣と鎧を装備して冒険に出かけるだろう。これはそんな当たり前の事をしないRTA世界記録を持つ男一条海斗の物語である。
ゲームのRTAと、異世界モノを組み合わせた珍しい小説。
ゲーム好きならば必ずあらすじに惹かれてしまうでしょう。
どのようなトリッキーな方法を用いてダンジョンをクリアしていくのだというワクワクがたまりません。
そういう点で、物語の設定は間違いなく素晴らしいものといえます。
しかし、肝心のRTAの方法に関する描写が簡単すぎるというのが残念です。
というより、読んでいて矛盾や疑問を感じることがとても多く、それに関する説明もほとんどないので、読み続けるたびに違和感が大きくなります。
これに関しては読んでもらわないと伝わらないと思うのですが、主人公が単純にボスやモンスターを無視して突っ切るだけで世界最速記録がとれてしまいます。
しかし、そんな簡単にとれるものでしょうか。
ボスやモンスターを無視することぐらいは誰でも思いつきそうですし、そもそも実力のかなり高い人一瞬でクリアできるはず。などなど。
以上のように読みながら頭の中で疑問がどんどん思い浮かんでしまいます。
そういったことに関する説明文をもっと文中に入れてほしかったというのが正直な感想です。
ただ、物語のシナリオ自体はおもしろいので、あまり難しいことを考えない人はにはおすすめできます。
「ああ勇者、君の苦しむ顔が見たいんだ」を読んで、評価・感想
目的はただひとつ。
いじめっ子への復讐。
「世界に現存する全ての書物を脳内で閲覧する能力」
ゴミクズと呼ばれる少年、御宮星屑は世界の書物から世界の攻略方を読み解き……
そして勇者となったいじめっ子への復讐を目指す。
異世界にいじめっ子ごと送られた少年の、目的の為には手段を選ばない、ピカレスクファンタジー。
タイトルが秀逸。
「ああ」という感嘆詞から始まり、「勇者」の「苦しむ」顔がみたいだなんて、いったいどういう小説なんだろうと思わずにはいられない。
「小説を読もう」ベストタイトルランキングがあれば間違いなく上位3位に食い込むと思います。
物語の内容は今ではよく見かけるようないじめっ子への復讐ものです。
こういった物語はカタルシスが大きいので好きな人も多いはず。
逆境に負けず、あらゆる努力ののちに主人公が覚醒する。王道といえば王道ですが、王道だけの面白さがあるジャンルでしょう。
しかし、この小説の主人公の性格が陰鬱としすぎており、正直読みながら引いてしまった。
そのため、主人公には感情移入できません。なんと言いますか、典型的ないじめられっ子の復讐といったジメジメさがあります。
主人公は裏技的な方法で強くなろうとしますが、そこにつらい努力をしてでもという魂胆が一切見えません。
できるだけ楽して簡単に強くなりたいという気持ちしかなく、かっこ悪い。
うーん、もっと爽快感のある復讐ものが読みたかったですね。
最近読んだおすすめWeb小説
最近読んだWeb小説では、間違いなくおすすめできる小説を紹介します。
文章力が高いことはもちろんながら、それ以上に何らかの魅力的な特徴を備えた小説ばかりです。
今後の小説を読もうの流行を形作っていくかもしれません。
さて、今回は次の小説となります。
デレのないツンデレ(男)~「俺の死亡フラグが留まるところを知らない」を読んで、評価・感想
悪役転生モノのですが、主人公のかっこよさが半端ない。
作者はよくこんな素晴らしいセリフを思いつけたなと思わず感心してしまうほどです。
まとめ
最近、小説のレビューをどのようにすべきか悩み中です。
今ではアバウトにここら辺が良くないという言い方をしていたのですが、これからはもっと具体的に言ったほうがいいのかなと。
アバウトだと適当なことを言っているようにも思われそうですし、それ以上にレビューとして具体性に欠けているとも言えます。
とりあえず、少しずつ変えていくつもりです。

XZ

最新記事 by XZ (全て見る)
- 【最近読んだWeb小説】~魔法はプログラミング、他~ - 2016年10月19日
- ゲーム嫌いな方へ、その魅力を語る~ - 2016年9月19日
- 力を手に、心が壊れた主人公ー「暴君ユーベル迷いナく.」を読んで、評価・感想 - 2016年8月13日