【図解詳説】関係代名詞の必要性から、使い方、訳し方まで全てをわかりやすく解説
2015/12/04
さて、今回は関係代名詞についてじっくりと解説していきます。
関係代名詞は英語の長文を読む上で最も大切なので、これがわからなければ長文が読めません。
訳せないのならまだしも、変に勘違いして全く見当違いの訳になることさえあります。
それだけ重要なので、今回はいつも以上に丁寧に説明していきます。
わからないことなどありましたら、コメントなどで気軽に質問してください。
目次
関係代名詞は何のためにあるの?
文法書などではいきなりどうやって使うのかの説明をはじめますが、そんなこといきなり言われても「うっ」となってしまいます。
やはり新しいことを習うときは、どうしてそれを習わなければならないのかということから入るほうがすんなりと理解しやすいです。
さて、関係代名詞は一体何のためにあるのでしょうか?
それは、もっと表現豊かな文章を書くためにあるからです。
実際に関係代名詞を使わずにかける文章と、使うことでかける文章を比べてみましょう。
関係代名詞を使わずに書ける文章:
- 彼女はケーキを食べている。
- 彼女は動物が好きだ。
関係代名詞を使うことで書ける文章:
- 彼女は昨日僕が買ったケーキを食べている。
- クラスで一番かわいい彼女は空を飛べる動物が好きだ。
違いが一目瞭然ですよね。関係代名詞を使うことでより複雑な文章をかけるようになるです。
関係代名詞を使わずに「彼女は昨日僕が買ったケーキを食べている」ということを言いたいのなら、「彼女はケーキを食べている」と、「そのケーキは僕が昨日買ったもの」の、2つの文章を使って書く必要が有るのです。
そう、関係代名詞は2つ以上の文章を合体させることができるのです。

文章の合体がさせるのが関係代名詞
関係代名詞の文法的働き
文法的働きと聞くとなんだか難しそうなイメージがありますが、恐れることはありません。
簡単にいえば、文章内でどのような役割を持っているかということです。具体例で考えてみましょう。
「彼女は昨日僕が買ったケーキを食べている」という文章が2つの文章からできているという話は上でしましたよね。
「彼女はケーキを食べている」と、「そのケーキは僕が昨日買ったもの」。実はその2つの文章には関係があります。
「彼女はケーキを食べている」の「ケーキ」の説明が「そのケーキは僕が昨日買ってきたもの」となっています。
つまり、ケーキにより詳しい情報を追加している訳なのです。

関係代名詞は形容詞と同じ働き
ケーキは名詞ですよね。名詞により詳しい情報を追加するものといえば?
そう、形容詞です。じつは関係代名詞は形容詞と全く同じ働きをしているのです。
これがわかればもう長文だって怖くありません。関係代名詞を見つけたら、あ、ここからは名詞の説明だなと思って読めばいいのです。
関係代名詞だって、所詮は名詞を詳しく説明しているにしか過ぎないのですから。
修飾、形容詞がよくわからない方は下の記事を参考にしてください。
【図解詳説】小学生でもわかる!「形容詞」と「副詞」についてわかりやすく解説!
実際にどのようになっているか例文で考えてみましょう。
- She is eating the cake which I bought yesterday.
関係代名詞の目印は”which”か”who”でしたよね。つまり、それの後ろが名詞である”cake”を説明しているというわけです。
whichより前半、後半とそれぞれ訳して後半の文章を前半の名詞に修飾させればいいのです。
前半の文章は「彼女はケーキを食べている。」で、後半の文章は「僕が昨日買った」、ケーキに修飾しているので、
「彼女は僕が昨日買ったケーキを食べている」となるわけです。これについては後でもっとわかりやすく説明します。
関係代名詞の使い方
関係代名詞が形容詞と同じ働きをするということがわかりました。
では、実際に関係代名詞はどのように使われているのでしょうか。いわゆる文法ですね。
そもそも、関係代名詞は2つの文章を一つに合体させるという話は上でしましたよね。
実際にどのように合体が行われているかを理解することで使い方を学んでいきましょう。
関係代名詞の成り立ち
まず、どのような文章を合体させたいかを考えます。
例えば、「ぼくはケーキを買った」という文章と、「彼女はそのケーキを食べている」という文章というように。
- I bought a cake.
- She is eating the cake.
ここでいう文章とはあくまで英語の基本文型で書かれる文章のことです。
なので、いきなり「彼女はぼくが買ったケーキを食べている」というような文章は作れません。
基本文型で書ける文章は「SがOをVする」という形でしたよね。よくわからない方は下の記事を参考にしてください。
【図解詳説】なぜSVOなのか?英語の基本5文型をわかりやすく解説
2つの文章ができたら、どのような関係があるかを考えます。
この場合は、「そのケーキ」というのが「僕が買ったケーキ」のことですよね。

合体させる文章の関係を明確に
ここでやっと合体です。合体の仕方は簡単、修飾させたい名詞の後ろにその文章を丸ごと持ってこればいいのです。
- She is eating the cake which I bought a cake yesterday.
修飾させたい名詞のことを先行詞といいます。これからも使いますので覚えておいてください。
ただし、合体させていますよということを表すために、whichを間にはさみます。先行詞が人ならば”who”でしたよね。
これで一応意味は伝わるようになりました。しかしまだ完成ではありません。
関係代名詞の省略
英語ではなくてもわかることは省略されます。
上の文章だと、先行詞の”the cake”と後ろの”a cake”は同じものを指していますよね。
ということは、後ろにある”a cake”がなくても言いたいことは伝わるはずです。だって前に書いてあるんだもの。
そのため、後ろにある”a cake”は省略されます。
- She is eating the cake which I bought yesterday.
関係代名詞の基本的な文は上のようになります。やっと完成ですね。
実はここでもう一つ省略できるものがあります。”which”です。(※”a cake”とは違い、必ず省略しなくてはいけないわけではない。)
なぜ”which”が省略されるかといいますと、なくても省略されているとわかるからです。
文構造を見ていくと、S V O S VとO→Sと名詞が連続で2つ続くので、ここで「ん?」となります。
英語の文型でVの後ろに名詞が2個も続くのはSVOOしかない。しかし、「eat」という動詞はSVOOの文章を作れない。
つまり、文章自体が間違っているのではない限り何かが省略されているのだ!と気がつくのです。
何を言っているのかよくわからない方。文型をを復習しましょう。
【図解詳説】なぜSVOなのか?英語の基本5文型をわかりやすく解説
このように、文章を読む上でなくても問題ないものは省略されます。

必要ないものは省略される
これで完成です。関係代名詞の合体はこのように行われます。
慣れればこんなややこしいこと考えなくてもできるようになりますが、なれるまではこれを考えながら書くと間違いにくいです。
省略の注意点
上で書いたように、なくてもいいものは省略されます。
その結果、関係代名詞内の文章は必ず何かが欠けているわけです。この性質を利用した問題がよく出題されます。
例えば、関係代名詞thatと接続詞thatを見分ける問題など。
主語が欠けることもあれば目的語が欠けることがあります。時には前置詞の後ろの名詞が欠けることだってあります。
これ以降はちょっと難しいので、理解できなくても構いません。機会があればもっと詳しく説明する記事を書くつもりです。
例えば下の例は前置詞inの後ろの名詞(本来はtownがあった)が省略されています。
- The town which I live in is Osaka.
どれが欠けるかは合体時にどの単語が重複しているかで決まります。
また、関係代名詞whichやwhoが省略されるのは、主語が省略されていない時だけです。
それ以外の時に省略してしまうと、文章を読んでいて省略されていると気が付きにくいからです。
- The boy is playing soccer is Ken.
上の文章を前から読んでいくと、最初のisが文章全体の動詞だと勘違いしてしまいますよね。
なので、主語が省略されるときは関係代名詞は省略されません。
このように省略と一口にいっても結構複雑なのです。機会があれば省略だけにフォーカスして記事を書いてみようと思います。
関係代名詞の訳し方
関係代名詞を訳すときは、その成り立ちから考えて訳すとやりやすいです。つまり、文章を分解して考えるという方法です。
しかし、これだと時間がかかってしまうので、もっと早い方法もあります。
だからといって基本的な方法が必要ないわけではなく、どんな時でも使えるので知っておいたほうがいいです。
基本的な方法
関係代名詞を訳すときは、慣れるまでは文章を分けて考えるといいです。
つまり、合体前に戻して考えるわけです。
下の例文を分解してみましょう。
- I gave him a bag I made.
まず、him→bag→Iと名詞が連続で3つも続くので、こんな文型は存在しませんね。
そこで、関係代名詞が省略されていることに気が付きます。
次に関係代名詞内で何が省略されているかを考えます。
この場合、madeの目的語Oがありません。つまり目的語が省略されているわけです。
ではどんな単語が省略されているかといえば、修飾している名詞(先行詞)、つまりは”a bag”です。
これを元に戻してあげると、上の文章は次の2つの文章に分解できます。
- I gave him a bag.
- I made a bag.
後は、文章同士の関係を考えて訳せばいいのです。
①の”a bag”のを②の文章が修飾(説明)している。つまり、「①私はかばんを彼にあげた」の「かばん」が「②私が作ったかばん」ですね。
一つに合体させると、「私は私が作ったかばんを彼にあげた」となるわけです。

分解してそれぞれ訳すと考えやすい
毎回こうやって訳すのは時間がかかります。そこで、実際に文中ではどのように考えるかを見ていきましょう。
もっと早い訳し方
関係代名詞は形容詞と同じ働きをするという話はしましたよね。
なので関係代名詞を見つけたら、先行詞を説明するように日本語を考えてあげればいいのです。
“a bag which I made”ならば、”a bag”に”I made”が修飾しているので、「私が作ったかばん」とすれば自然な日本語になりますね。

文中での訳し方
ただ、複雑な文章になるとこの訳し方でもよく分からない時があります。
その時は基本に戻って文章を分解して訳すとわかりやすいです。
関係代名詞の訳し方ー応用編
ここからは応用です。下の例文を訳してみましょう。
解説を見る前に一度自分で考えてみましょう。
- The boy who is playing the game he bought in a store yesterday is my friend.
うわ、いきなり難しそうな文章ですね。しかし恐れることはありません。関係代名詞の文法がわかれば簡単に読めます。
まず、The boyが主語Sですね。次に関係代名詞”who”を見つけました。ここからはThe boyの説明が始まるということです。
関係代名詞内を見ていくと、isから始まります。つまり、主語(The boy)が省略されているのです。元の文章に戻してあげると、
- The boy is playing the game.
続いて見ていくと”he”がありました。あれ?”the game”と”he”と名詞が2個続いているぞ!と気が付くので、関係代名詞が省略されているとわかります。
関係代名詞内をみると、boughtの後ろの目的語Oがありません。目的語(the game)が省略されています。それを元の文章に戻してあげると、
- He bought the game in a store yesterday.
次を見ると”is”が来ました。なんでこんなところに”is”が?と考えると、そういえば文章全体の主語The boyの動詞がまだなかったことに気が付きます。
つまり、この”is”は”The boy”の動詞なのです。そして”is”の後ろは補語となるわけです。
以上のことから3つの文章を合体させていることがわかりました。
- The boy is my friend.
- The boy is playing the game.
- He bought the game in a store yesterday.
後はそれらの関係を考えて訳せばいいのです。2つ目の文章は1つ目の文章の”The boy”を説明しており、3つ目の文章は2つ目の文章の”the game”を説明している。
日本語にすると、「①その少年は僕の友だちだ。」のその少年が「②ゲームを遊んでおり」、その遊んでいるゲームが「③その少年が昨日ある店で買ったもの」となっています。
全部合体させると、「昨日ある店で買ったゲームを遊んでいるその少年は僕の友だちだ」となるわけです。

文章を分解して考えると
まあ、実際は上みたいなへんてこな文章は存在しないのですが、練習としてはちょうどいい文章でしょう。
まとめ
何度も言いますが、関係代名詞は長文を読む上で欠かすことは出来ません。
これがわからないとちょっとでも文章が複雑になるだけで読めなくなるでしょう。
その分じっくりとわかりやすく解説を書いたつもりですが、それでもわからないところやモヤモヤとしたところがあると思います。
でも、僕のサイトを見た後にもう一度参考書などを見ると以前よりは理解しやすくなっていると思います。
関係代名詞とは長い付き合いになるので仲良くなっておきましょう。
質問、コメント気軽にどうぞ。

XZ

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