未来のノーベル賞?がん治療の新手法「免疫チェックポイント阻害法」についてわかりやすく説明
2015/11/28
先ほどNHKの番組でも特集されてましたが、日本発のがん治療薬である「ニボルマブ」が世界中で注目されています。
「おっ、これはまた新たなノーベル賞候補かな?」と思い、個人的にどういったものなのかが気になったので調べてまとめてみました。
この記事では免疫チェックポイント阻害薬である「ニボルマブ」が、がんを治療する仕組みについてわかりやすく説明してみようと思います。
できるだけ医学用語を一切使わずに説明しようとしているため、厳密には多少異なるかもしれません。
目次
「免疫チェックポイント阻害」って何だろう?
免疫チェックポイント阻害。なんと難しそうな単語なんだろう。
僕も最初にこの単語を見たときは「うげぇ」と思ってしまったものですが、実はそんなに難しいものではありません。
免疫チェックポイント阻害を知るためには、がんと免疫について知っておく必要があります。
がんと免疫
「免疫」っていう言葉を知っていますか?簡単に説明すると、身体に入ってきた悪者(病原菌など)を退治しようとする人間の体のシステムのことです。
これがあるから私たちは風邪を引いても、寝ていれば治りますし、頻繁に病気にかかることもありません。
当然、人間はがんに対しても免疫力を持っているはずなのですが、それにも関わらずがんになると治らなかったり、ひどい場合だと亡くなってしまうことも少なくないですよね。
実は近年、がんが免疫から逃れていることがわかってきたのです。つまり、がんには免疫が効かないのです。
イメージでいえば、がんは免疫に対して常にバリアを張っているのです。
だからがんは風邪とは異なり、自然に治ることが難しいのです。

がんは免疫が効かない!
免疫チェックポイント阻害とは
せっかく免疫があるのに効いていないのはもったいない!どうにかして免疫が効くようにしたい!
ということから考え出された方法が、「免疫チェックポイント阻害法」です。つまり、この方法を使うことで免疫ががんにも効くようになるわけです。
「免疫チェックポイント阻害法」では、がんが作り出した免疫に対するバリアを壊してくれるのです。
今までがんの治療といえば、がんに対する免疫力を高めるものだったので、「免疫チェックポイント阻害法」は全く新しい医療技術です。

「免疫チェックポイント阻害法」でバリアを壊す!
免疫チェックポイント阻害薬の代表、「ニボルマブ(オプジーボ)」
免疫チェックポイント阻害薬とは、上で説明した免疫チェックポイント阻害を薬で行ってくれるのです。
手術もなしに、薬だけでがんを治療できる時代がやってきました!そしてなんと、この薬は日本で発明されたのです。
オプジーボ(商品名)は今まで使われてきた抗がん剤などと比べても高い効果が得られることも実験によって証明されています。
また、重い副作用の発症率も今までのものより低いという優れものです。
医療技術が発展した21世紀でも難病であるがんの治療に、新たな切口を開いた免疫チェックポイント阻害法は今後もますます注目されていくでしょう。
まとめ
皆さんどうでしたか?わかりやすく伝わったのなら幸いです。
昔はがんと言えば不治の病とされていたのですが、最近になってやっと治療の兆しが見えてきたことはとてもうれしいことです。
医療に限らず、こういった新しい技術って時代が進歩しているように思えていいですよね。
今後もこの記事のように新しい技術について紹介していこうと思います。
参考になったサイト
日本発の免疫チェックポイント阻害薬「ニボルマブ(オプジーボ)」、欧州で悪性黒色腫(メラノーマ)治療に迅速認可

XZ

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