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英雄は色を好む~「花嫁クエスト」を読んで、評価・感想

   

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ー「古来より英雄は色を好むという。
 我はこの格言に従い、他の国からより多くの嫁、より優れた嫁を連れて来た者を後継者と定めるであろう。」

みなさん、GWはいかがお過ごしだったでしょうか。

長かったようで短かったGWも今日で終わり、明日からは平常運転かと思うと暗澹たる気分ですね。

さて、気を取り直して本日の作品を紹介しましょう。

最近はずっとおもしろい作品に出会えていなかったため、久々の良作となります。

タイトルは「花嫁クエスト」。

タイトルからなんだか軟派な作品に思えるかもしれませんが、中身は正反対の硬派です。

では、詳しく紹介していきましょう。

作品情報、あらまし

最も多くの花嫁を連れて来た者に王位を譲る――ひとりの英雄王が発した布告は、大陸を揺るがす動乱のさきがけだった。

北の方、ウィンディア王国に仕えていた騎士テオは、自国の王のトンデモ宣言に仰天しつつ、内なる野心に突き動かされて国を出る。
各地でくすぶる不和と疑念。見え隠れする謀略と魔人の影。
人と魔物、神と妖精が共に生きるシルリス大陸は、静かに、しかし確実に破滅への道を歩みはじめており、テオと仲間たちはいやおうなしにその波に飲まれていく。

抗いがたい潮流の中で王位と花嫁を求める青年が何を為すのか、この時はまだ、当人を含めて誰も知る者はいなかった。

最も多く花嫁を連れてきたものに王位を譲るという布告を聞いた主人公が、花嫁を求めて旅に出るお話です。

花嫁を探す旅だと聞くと、なんだか軽いお話に思えるかもしれませんが、全くそんなことはありません。

むしろ、世界観自体が重厚で文章もしっかりとしているために硬派な印象さえ受けます。

といっても、それは読みにくいというわけではなく、良く練られたストーリーと丁寧な描写による重厚さだからです。

そして、単なる主人公最強ものでない点に好感が持てます。

主人公はそこそこ強いだけで、この世界では文字通り一騎当千できる最強の魔人が何人もいます。

人間は魔人にとって家畜としか思われておらず、そういった世界観で主人公がどのように活躍していくのかが見ものです。

また、無条件に主人公のことを好きになるようなチョロインもおらず、恋愛ものとしても読みごたえがあります。

作品の魅力、特徴

最近のWeb小説は、1つ見れば異世界モノ、2つ見ても異世界モノ、3つ見て、4つときて、10小説ぐらい見てやっと異世界以外の作品を見つけることができます。

たしかに異世界モノはおもしろい。未知なる世界で活躍するロマンは心をワクワクさせてくれます。

しかし、異世界モノがここまで人気になったもう一つの理由としては、異世界モノ作品が書きやすいからだとどこかで聞いたことがあります。

つまり、舞台が異世界だと設定がある程度適当だったとしても何とかなるからです。

空が飛べる、魔法が使える、ドラゴンがいる、瞬間移動でいる・・・

異世界というだけでどんな設定だって通用します。

しかし、書きやすいおかげで巷には文章力のあまり高くない作品も増えてしまいました。

小説を書くという間口が広くなったことは良いことなのですが、その分文章力が高く、クオリティの高い作品が埋もれてしまうことも増えています。

導入が長くなりましたが、結局言いたかったことは本作もそのうちの一つだということです。

まず、Web小説という特性上、起承転結ができていない物語が多くあります。

最初から起伏のない話がだらだらと続き、伏線もあまりなく、読み続けるだけのモチベーションを保てません。

その点、本作では一定話数ごとに起承転結がしっかりしており、メリハリのある物語となっています。

 

次に、文章力の差が現れる点として会話文が挙げられます。

文章力の低い会話文だと、会話文だけで物語が進みます。そこには説明文や感情描写などが一切なく、複数の登場人物が会話すると誰がどのセリフかわからなくなることもあります。

それと比較して、本作の会話文を見てみましょう。

「良いことを考えついた、と上機嫌なのです」
深い憂いと共に発された、その一言。
それを聞いた俺は、眼前の女神と同様、眉間に深いしわを刻んだ。
「…………それは、まずいですね」
「ええ、まずいのです」
種族の垣根を越えて互いの危惧を共有した俺たちは、顔を見合わせて深い溜息をついた。

たった3セリフですが、セリフとともに登場人物の心理描写まできちんと表現できており、読んでいるだけで彼らの表情を思い浮かべることができそうです。

文章力の高い小説は、登場人物に感情移入しやすくなりますし、臨場感も高くなるというわけです。

 

さて、作品の質についてはこの辺にして、最後に作品内容についてレビューしましょう。

あらましでも述べた通り、この作品は主人公最強ものではありません。魔人が最強です。

よくある主人公最強ものだと、無双して「はい、おしまい」となるわけですが、本作ではバトルの緊張感がたまりません。

ちょっとしたミスが死につながるという状況から、主人公たちがいかにしてその逆境を潜り抜けるのか、そういったドキドキ感があるわけです。

主人公最強ものを読みすぎて退屈に感じてきた方、ぜひ本作を読んでみましょう。

 

最後に、花嫁クエストという冗談のような布告ですが、実は文章自体は大まじめだったりします。

個人的にかっこいい文章だと思うので、その文章で本作に興味を持っていただければ幸いです。

『我、アレス・フォーセインはここに宣言する。
我はこれより一年の後、今日まで我が築きしすべてのものを後継者に譲ることとする。
我が後継者たる資格は血にあらず。生国にあらず。英雄たる力を備えた者は、たとえ他国の者であっても後継者の資格ありと認む。
では、何をもって英雄たりえるとみなすのか。並び立つ英雄のいずれを優れているとみなすのか。我は考え、そして決めた。

古来より英雄は色を好むという。
我はこの格言に従い、他の国からより多くの嫁、より優れた嫁を連れて来た者を後継者と定めるであろう。

我が愛する臣民よ。
我はこの決断が王国に、そして人界の未来に大いなる恵みをもたらすと確信する。
我が後を継がんと志す小英雄たちよ。
まずは我が王宮を訪れよ。我みずから汝らと顔をあわせて詳細を語るであろう。
我は王宮にて未来の英雄たちと出会い、語るを心から楽しみに待っている』

まとめ

おすすめWeb小説ランキングのアクセス数がすごいことになってます。

「Web小説」と検索すると2番目に表示される始末で、あまりの順位の高さにびっくりです。

そろそろランキングを更新しなくてはといつも思っているのですが、新しくランキングを作るべきか、今のを更新するべきかで迷ってます。

新しく増えた作品の順位付けをどうするか、難しいですね。

 

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XZ

XZ

ゲームとWeb小説が何よりも好き。自分の趣味を共有、共感できたらと思いブログをはじめた。

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