ぼくのあしあと

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努力して気が付くと最強に~「灰色の勇者は人外道を歩み続ける」を読んで、評価・感想など

      2015/11/30

おすすめWeb小説

ー「人は想像できない出来事という物に対して、どれだけ対策を練ることができるか」

勇者なのに人外道とは一体・・・?と興味をひかれて読んでみた作品。

しかし、期待していた以上におもしろく、気が付けば朝の6時まで読んでいました。

小説を読んで朝の6時まで起きたことなど人生初で、それだけ引き込まれた作品でもあります。

そしてこの小説を読んで改めて思いましたね、主人公最強ものもいいもんだと。

作品紹介

あらすじ

灰色の勇者として召喚された日本人、灰羽秋。
だが、彼は召喚された12人の勇者たちのなかで唯一1人だけ、スキルの選択に時間をかけすぎてしまい別の大陸へ誤転移してしまった。
誤って飛ばされた大陸は、最悪なことに魔王や勇者すらも近づかない『終焉の大陸』と呼ばれる人外魔境の地だった。

全く雑魚とは思えない屈強なゴブリンの集団。

めまぐるしく変わる生きるに相応しくない環境。

周りを取り巻く異常に高LVな魔物達。

今まで争いのない日本で生きて来た彼が生きるには、厳しすぎるその大陸で秋はスキルや能力を頼りながら、『終焉の大陸』に染まるかのように人外への道を歩みだす。

月日が経ち、最強となって終焉の大陸を出た灰羽秋の歩む道とは……。

 

あらすじに書かれているように、主人公は人外魔境の地へと転移してしまう。

事前に神様からいろいろなスキルをもらってはいるが、その程度では全く歯が立たないほど強いモンスターたちが跋扈していた。

スタート地点に弱いモンスターしか出現せず、先へ進めば進むほど強いモンスターが出現するようなご都合主義などこの小説には存在しない。

ゲームじゃないんだから、自分の成長に合わせてモンスターが強くなっていくわけがない。

主人公が転移したのはラスボスを通り越して裏ボスがいるような場所だったのだ。

そう、この小説にご都合主義は存在しない。

転移した先でかわいい女の子を助けるようなテンプレが起こることもなく、そもそも人ひとりいなかった。

普通の人ならば生きていくことさえできないそこで、主人公は強いモンスターから隠れながら何とか生きていこうとする。

しかし、主人公には精神的強さがあった。月日を重ねるごとに何とかそこにいるモンスターを倒せるようになっていった。

ある日その大陸に、別の勇者がたどり着く。

そこで主人公は気が付くわけだ、自分がとんでもない場所にいたということを。

文字数

およそ23万文字。文庫本2冊いかない程度。5時間程度で全部読める。

長編を読みたい人にとってはちょっと物足りないと思う。

本作の魅力

勘違いしないように初めに言っておこう。

この小説の書き出しは普通だ。取り立てて特徴もなく、これからとても楽しい話が始まるんだということを感じさせることもない。

今まで多く読んできた異世界転移モノとほとんど変わらず、「また似たような小説か・・・」とがっかりしてしまうかもしれない。

しかし、そこで読むのをやめてはいけない。この小説は読み進めれば読み進むほど面白くなる。

小説の構成がそうなっていることもあるだろうが、作者の書き方もどんどん上達しているように思える。ここまでギャップの激しい小説を読んだことはなかった。

さて、ちょっと脱線してしまったが、この小説の魅力を紹介しよう。

まず一つは主人公最強の描写がうまい点だ。主人公最強ものの小説などありふれている中で、似たり寄ったりなものも多い。

神様からチートをもらったり、運よくチートを手に入れたりとご都合主義に近いものがほとんどだ。

しかし、本作のチートはご都合主義でも何でもない。主人公の努力によるものだ。

確かに、普通の人と比べて勇者補正が多少あるかもしれないが、それでもちょっと強い程度だ。

主人公は最初から最強だったのではない、数々の経験を得て最終的に最強となる。

ご都合主義がないというだけで一気に親近感がわく。感情移入しやすい。

次に素晴らしい点は、情景描写や説明文が上手いということだ。

主人公は人外魔境の地へと転移してしまうわけなのだが、人外魔境がどういったところかというのは正直想像しづらい。

よくあるWeb小説ならば、敵のLvが高いというような浅い表現をすることが多いが、この作品は違う。

次の文章を読んでみてほしい。

まるでいくつもの環境をミキサーにいれて混ぜ返したかのような光景だった。

空を見上げればそこにはあるはずのない地面が浮かんでいて、地割れのようにひび割れた土の隙間からは、あるべきはずの曇天の空が顔をのぞかせていた。

吹き荒れる風は肌を切り裂くほど強い。
その風は、遠くに見える赤色や白色の柱から溶岩や氷、岩などを削って気まぐれに運んできた。

どうだろう。人外魔境の地というものがこれ以上ないほど伝わってくる。

こういった情景描写や説明文があるおかげで、頭の中にその情景をよりリアルに思い描くことができる。

出現するモンスターについての描写もとても丁寧で、まるで本当に見てきたかのように書かれた文章は、そのモンスターの恐ろしさをこれ以上ないほどに伝えてくる。

このように、地の文のすべてが主人公の1人称語りとなっているような小説とは違うのだ。

最後に素晴らしいと思ったのは、物語の構成についてだ。

物語はいくつかの章から構成されており、それぞれの章ごとにきりよくまとまっている。

章によっては主人公以外のキャラクターが語り手となって物語をすすめることもあり、各キャラクターの考えていることがわかるのも面白い。

どのキャラクターも主人公になれるのではないかというほど個性があり、だからこそ彼らが織りなすお話は主人公1人称視点だけで語られるお話とは比べ物にならないほど密度が高い。

まとめ

初めて朝の6時まで徹夜したのが小説を読むためって、なんだか僕の性格がよく出ているような気がします。

ただ、一度経験して思ったのですが、次の日がしんどくなってしまうのでやはりすべきではありませんね。

しかし、この小説にそれだけ引き込まれてしまったというわけです。
http://ncode.syosetu.com/n0709cd/「灰色の勇者は人外道を歩み続ける」 小説を読もう

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XZ

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ゲームとWeb小説が何よりも好き。自分の趣味を共有、共感できたらと思いブログをはじめた。

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