なぜガラスを急に冷やすと割れてしまうの?対策はあるの?
ガラスを急に冷やすと割れやすいという話は聞いたことがあると思います。
例えば、熱湯を入れていたコップを冬に水洗いすると割れてしまうことがありますよね。
僕の場合は、中学校の理科の実験で試験官をよく割っていました。
よく割っているというとなんだか試験管を振り回して遊んでいたやんちゃボーイに聞こえますが。
もちろん、振り回して割れたのではなく、ガスバーナーで熱し後に水洗いをしたからです。
その経験もあって、今では気をつけるようにしています。
では、そもそもなぜガラスを急に冷やしてはいけないのでしょう。
コップや鉄を急に冷やしてもなんともないにもかかわらず、ガラスだと割れてしまう。一体何が違うのでしょうか。
なぜガラスを急に冷やすと割れてしまうのか?
いきなり本題から入りましょう。結論から言いますと、
ガラスを急に冷やすと割れてしまうのは温度差による伸縮にガラスが耐え切れなかったからです。
どんな物質を熱すると体積が大きくなるということはご存知だと思います。逆に物質を冷やすと体積が小さくなります。
もちろん、目でわかるほど体積が変わるほどではありませんが、すべての物質にそういった性質があります。
僕達の身近なもので例えていいますと、お餅を熱すると膨らみますよね。
まあ、それはお餅の特性によるものなのですが、どんな物質も似たようなものだと思ってください。お餅ほど体積が変わることはありませんが。
ガラスだって物質の一つなので、熱くなると体積が大きくなります。いわば大きくなろうとする力が加わっている状態です。
そこで急に冷やすと、小さくなろうという力が働きます。
大きくなろうとしている力に対して、小さくなろうとする力が加わり、その差があまりにも大きいとガラスが耐え切れずに割れてしまうわけです。

急な伸縮にガラスが耐え切れなかった
温度差が大きければ大きいほど、力の大きさの差も大きくなるのでそれだけ割れやすくなります。
これがガラスを急激に冷やすと割れてしまう原理です。
なぜガラスだけなのか?
上の原理だけで言えば、別にガラスでなくとも同じことが言えるはずです。
陶器でできたコップもそうですし、プラスチック製やステンレス製のコップでも同じことが起こるはずです。
しかし、現実としてそんなことはありません。ガラスが割れるのを見たことはあってもステンレスや鉄が割れたところを見たことはありません。
なぜなのでしょうか?
それは、ガラスの性質に原因があるからです。
もともとガラスは耐久力に優れているわけではありません。
小学校の窓ガラスなどはよく割れていましたよね。どちらかと言えば子どもたちによく割られていましたが。
このように、小学生の子供でも割れるほど、そもそもガラスは割れやすいものなのです。
そしてもう一つ原因があります。それはガラスの熱伝導率が低いからです。
熱伝導率とは、熱の伝わる速さがどれだけ早いかを表すもので、ガラスは熱が伝わるのが非常に遅いのです。
鉄などは熱伝導率が高いので、端から端まですぐに熱が伝わりますが、ガラスではそうはいきません。
ガラスの熱伝導率が低いせいで、全体が冷える前に耐え切れずに割れてしまうわけです。

ガラスが冷えるまでに割れてしまう
このように、「ガラスが脆いこと」と「熱伝導率が低いこと」の2つが原因でガラスが割れやすくなっているのです。
割れないようにするための対策は?
ガラスが割れやすいのは、温度差による伸縮に耐え切れなかったからということはわかってもらえたと思います。
つまり、温度差があると割れるわけなので、急に冷やすだけではなく急に熱しても割れることがあるわけです。
ただ、冷やす時ほど割れやすくはありません。ガラスを扱うときは温度差に気をつけるようにしましょう。
では、どのように対策すればいいのだろう。
実は、これに関しては具体的なアドバイスをすることはできません。
なぜなら、割れる条件というのは、ガラスの強度、どのように温度差が出来たか、気温などによって一概にいえないからです。
僕の経験からですが、温度差が100度ぐらいでも全然大丈夫でした。
とにかく温度差に気をつける!と意識しておくことが大事です。
まとめ
この記事を書きながら思い出したのですが、僕が中学生のころはどのくらいの温度でガラスが割れるかを確認するためにわざと熱した試験官を水で洗ってましたね。
今思い出すとアホなことをしていたわけですが。
試験官のガラスはふつうのガラスよりも熱に強くできているそうで、幸いにも当時はそれで割れたことはありませんでした。

XZ

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